桜並木と落ち着いた住宅街が広がる、世田谷区・桜新町。

都心にほど近い利便性を持ちながら、穏やかな空気感を残すこの街に、高級賃貸レジデンス「THE GRANDUO」シリーズ4棟目となる「THE GRANDUO SAKURASHINMACHI」が、2025年11月に誕生します。

設計を手掛けたのは、日本商環境デザイン協会(JCD)理事長であり、建築・インテリア・プロダクトなど幅広い分野で活動する設計事務所Degins JPの窪田茂氏。
今回は、建築家として大切にされていること、設計事務所としての取り組み、そして「デザインで未来を楽しく」という言葉に込めた想いについてお話を伺いました。


窪田 茂 / Shigeru Kubota
Degins JP CEO
1969年 東京生まれ。1991年 中央工学校建築設計科卒業。設計事務所勤務を経て、1999年に独立。2003年 窪田建築都市研究所を設立。カフェや商業施設を数多く手掛け、2005~2007年にはCAFE COMPANY(株)取締役 設計部長を兼任。2013~2018年 (株)ダブリューズカンパニー取締役を兼任。2018年より一般社団法人 日本商環境デザイン協会(JCD)理事長に就任。2023年、社名をDegins JPへ変更し、不動産部門「クラストスマウ」およびデジタルデザイン部門「Degins Digital Design」をスタート。現在に至る。



── 窪田さんが建築設計・デザインをするうえで共通するポリシーや軸はありますか?
それとも、物件ごとに臨機応変にアプローチを変えているのでしょうか。

窪田氏:いわゆる“作家性”を強く打ち出す建築家もいますが、私はあまり作家性を前面に出すタイプではないですが、その地域との関係性やデザイン、素材にはこだわりを持って設計をしています。

THE GRANDUOシリーズは、“いかにもマンション”という住まいに物足りなさを感じている方々にこそ、響くものがあると考えています。そうした「マンションらしくないこと」そのものが、新しい価値基準となる。実際に空間に足を踏み入れていただければ、その意味をきっとご理解いただけるはずです。


THE GRANDUO SAKURASHINMACHI イメージ内観CG

── ご自身のスタイルについて「窪田さんらしさ」みたいなものは意識されますか?

窪田氏:僕の中にあるデザインの軸は、未来の社会を創造するというのがテーマです。表現のかたちは、極端に言えばどんなものでもよいと思っています。むしろ、常にそこに新しい発見をつくっていきたいと思っています。ですので、僕は、環境や状況、クライアントの意向、ユーザーの気持ちなどに対して、真摯に向き合ってベストなものにしていきたいと思っています。

 

──確かに、窪田さんの作品は多彩で、つかみどころがないようでいて、どれも「窪田さんっぽい」と言われるような不思議な統一感がありますね。

窪田氏:そう言ってもらえると嬉しいです。僕自身は、全部がオーダーメイド的な感覚で取り組んでいるので、毎回ゼロから考える。でも、それが楽しいです。

 

── 今度は事務所での活動についてお聞きします。設計事務所としての活動も幅広いですよね。
建築だけでなく、商業空間やプロダクトデザインなどさまざまなジャンルのデザインに関わっていると伺いました。

窪田氏:もともとは建築の設計事務所ですが、今は商業や店舗のデザインもかなり手がけています。僕たちのビジョンは「デザインで未来を楽しくする」。それは建築でも商業でも、どんな分野でも共通していて、未来をつくっているという意識があります。
今回のプロジェクトでは、マンションに対する新たなアプローチに取り組むことができ、僕たちのビジョンとも凄くあっていたと思います。

 

──「デザインで未来を楽しくする」という言葉が印象的です。それはどういう意味を込めているのでしょうか。

窪田氏:簡単に言い表すのは難しいですが、僕たちがつくるものは、一時的な流行ではなく、時間を超えて残り続ける存在ですよね。特に建築は、何十年もその場所に残り続ける。だからこそ、次の一歩につながるようなものにしたいと思っています。その積み重ねが、結果的にいい未来をつくっていく。そういう意識で取り組んでいます。

 

── 商業空間のデザインのみならず、事業の方向性なども提案されるとお聞きしました。

窪田氏:そうですね。従来と同じことを繰り返すだけでは、新鮮さや楽しさは生まれないと感じています。これまでにない楽しさや価値を積み重ねていきたいという思いがあるので、場合によっては「こうしたサービスの方がより魅力的ではないでしょうか?」と、事業の内容や方向性にも積極的に提案することがあります。

事業がうまくいけば、利用される方々にも喜んでいただける。そうした取り組みが評価されて広がっていけば、次第に多くの人が参考にするようになる。その結果として、社会の仕組みが少しずつ良い方向へと変わっていく。そうした循環を生み出していくことこそが、僕たちデザイナーの役割なのではないかと考えています。


窪田氏が手掛けたプロジェクト:HIYORI CHAPTER KYOTO, A TRIBUTE PORTFOLIO HOTEL
撮影:Miyuki Kaneko (Nacása&Partners Inc.)


── 「THE or NOT」というコンセプトのTHE GRANDUOには、従来のマンション像にとらわれない挑戦的な姿勢が感じられます。街との関係性や、住む人の感性にどう応えるかなど、設計段階で意識されていることがあれば教えてください。

窪田氏:THE GRANDUOのものづくりに携わっている方々は、新しいことや面白いことに積極的に挑戦したいという想いが非常に強いと感じています。僕たちもそれに応えたいと思い、できる限りチャレンジしてきました。

一般的には、デベロッパー視点での事業性や効率性が重視され、コストの削減や空間の最大活用が優先される傾向があります。でも今回は、「どうすれば気持ちよく暮らせるか」「心地よい暮らしとは何か」を追求できたことが大きかったですね。もちろん何でも自由にできるわけではなく、現実的な制約の中での設計にはなりますが、THE GRANDUOシリーズだからこそ可能になった挑戦だったと思います。

 

── 最後に、THE GRANDUO SAKURASHINMACHIにご興味をお持ちの方にメッセージをお願いします。

窪田氏:THE GRANDUO SAKURASHINMACHIは、世田谷区・桜新町という落ち着いた住宅地に計画した集合住宅です。コンセプトは「外部空間を取り込んだ豊かな空間」。
都心にありながら、郊外やリゾートのような、ゆったりとした時間が流れる住まいを目指しました。

南北に抜けるバルコニーや前庭など、外部空間を積極的に取り込むことで、光や風が通り抜ける心地よい住戸構成になっています。また、一般的な片廊下式ではなく階段室型を採用し、すべての住戸が南北両面に開口を持つことで、採光や通風を確保すると同時に、マンションらしさを感じさせない外観にもつながっています。

あえて都市的というより、“少し郊外的で、週末の別荘のような感覚”を持ったレジデンスです。
そんな新しい暮らしのかたちを、ぜひ楽しみにしていてください。

 


THE GRANDUO SAKURASHINMACHI イメージ内観CG

 


THE GRANDUO SAKURASHINMACHI
〒154-0015 東京都世田谷区桜新町1-22-10
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