
二子玉川駅から歩いて5分ほど。商業エリアの賑わいが、徐々に住宅街の穏やかさへと移り変わる境界にあたる場所に、緑があふれる建物が姿を現します。
THE GRANDUO FUTAKOTAMAGAWA SOIL ——
FAITH NETWORKが展開する最高級賃貸テナントビルの新たな一棟です。
設計を手掛けたSUPPOSE DESIGN OFFICEの谷尻誠さんと吉田愛さんは、興味深いアプローチでデザインを行いました。”建築によって都市に自然を還元する”という逆説的な発想です。
「そこに建物ができて終わりではなく、植物とともに景観が育っていくことを目指しました。建物ができることで街が美しくなっていくようなプロジェクトにしたかったんです」
谷尻さんのこの言葉通り、THE GRANDUO FUTAKOTAMAGAWA SOILは、建物そのものが立体的な土壌となることを目指しています。
都市の中でみずみずしい空気を吸う
壁面を覆う植物は、風にそよぎ、太陽の光を反射して、刻一刻と表情を変えます。季節が巡れば、緑の色合いも少しずつ変化していきます。鳥が訪れ、蝶が舞う。植物があることで、そこには小さな生態系が育まれます。

窓を開けるたびに緑の香りを感じ、植物が放つ酸素を吸い込みます。都市の中にいながら、まるで森の中で深呼吸をしているような感覚。それが、THE GRANDUO FUTAKOTAMAGAWA SOILが提案する「あたらしい共生」です。

吉田愛さんは「緑がこれぐらいあると、本当に鳥が来るし、虫も飛んでくる。人工の場所とは違うものがあって、人が心地いいと思う要素がそこにある」と加える。
素材が語る時間の価値
外壁にはビシャン仕上げと呼ばれる伝統的な手法が用いられています。表面にざらつきを残すことで、土や石のような自然の質感を演出しています。光を浴びると複雑な陰影が生まれ、時間帯によって建物は異なる表情を見せる、おもしろい仕上げです。

「10年経った時も、ボロボロになったと感じることはないはずです。そういう作り方をしているので」と谷尻さんは語ります。
新築時のピカピカした状態を保つことに固執せず、時間とともに風合いが増していく素材を選びました。建物が経年変化により味わいを増すさまは、まるで都市のなかで植物とともに育っていくようです。
二子玉川という場所がもたらすもの
渋谷まで15分という利便性。二子玉川ライズや玉川高島屋S.C.といった商業施設。そして、多摩川の豊かな自然。都市の快適さと心を癒す自然環境のふたつが手に入る、稀有なバランスがここにはあります。

THE GRANDUO FUTAKOTAMAGAWA SOILは、その立地の魅力を最大限に活かしています。上階からは、天気の良い日には富士山も望めます。建物の北側は開けており、さえぎるものが少ない空が視界に入ります。一日中安定した自然光が入り、都心でありながら空の広さを感じることができるこのテナントでは、創造性豊かに働くことができるでしょう。
「容積を充分にとりながらも、余白を感じられる物をどう設計したらいいか、と考えました」
谷尻さんはこのプロジェクトにおいて、効率性と心地よさ、機能性と美しさという、相反する要素を両立させることに挑戦しています。それは空間に余白を設けることにくわえて、外光の取り入れ方やそこで働く人たちの視線の向かう先までも計算に入れたデザインです。

時間とともに成熟する森
投資物件として見たとき、THE GRANDUO FUTAKOTAMAGAWA SOILはどのような価値を持つでしょうか。
10年後、植物は成長し、建物は10年の時を刻んだ風格を備えているでしょう。外壁の質感は深みを増し、植物との自然な共生のバランスを見つけていくはずです。
二子玉川の街のなかで、緑とともに育つ建築。THE GRANDUO FUTAKOTAMAGAWA SOILは、自然とのあたらしい共生のありかたを提案する、あたらしい物件です。

Text by AOYAMA Tsuzumi
THE GRANDUO FUTAKOTAMAGAWA SOIL テナント物件
〒158-0094 東京都世田谷区玉川2-15-12